1.製品の概要
水流の落差を利用して発電する上掛け水車型水力発電機です。
日本伝統のデザインを踏襲し、木製水車の風情や雰囲気を損なうことなく、
水車工学の正しい理論に基づいた高効率水力発電システムを実現しました。
水車、発電機、制御装置とも、最高性能仕様で構成したノースパワー製作による
水力発電システムです。
2.製品の特徴
(1) 類稀なる高効率水力発電システム
水の落差を最大限活用します |
上掛け水車においては、水の落差、すなわち、水の位置エネルギーを最大限に活用することが高効率化のポイントです。
緻密な実験と計算によって導かれた特殊なバケット(水受け)形状により、水車の最下位置まで水を保持し続けます。これにより、従来には無い高効率水車を実現しました。
左の写真は、水車の運転を停止し、水車下部の様子を撮影したものです。
水車の真下の砂利が、水車排水により無くなっていることが分かります。これは、水車に流入した水が、水車の真下の位置までバケット内に保持され、水の位置エネルギーを最大限に活用していることの証です。 |
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水車専用に開発した高効率発電機 |
超低速でゆったりと回転(数rpm)する水車に組み合わせる発電機も専用の超低速仕様とし、出来る限り小さい増速比により、動力伝達系のエネルギーロスを抑え、かつ負荷変動時の悪影響を極限まで小さくしています。
発電機は、強力なネオジウム磁石を贅沢に採用した自励式交流発電機で、完全なコギングレス仕様としており、静かでスムーズな回転を実現しています。
発電効率も非常に高く、左写真の発電機は90%以上の発電効率を達成しています。
ブラシレス発電機ですので、基本的にメンテナンスフリーであり、長期にわたって性能を維持しつづけることが可能です。
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(2) 高耐久・長寿命
信頼性の高い構造と素材 |
水輪を構成する木材は、アイアン・ウッドやウェスタン・レッド・シダー等の耐水性・耐蝕性・耐久性に優れた丈夫な木を使用し、さらに個々のパーツとも、組み上げる前の製作段階でひとつひとつ入念な防食処理を施してありますので、従来の木製水車では得られなかった長期耐久性を確保しています。
大きなストレスがかかる水車の主要構造部分には、ステンレス等の金属部品を採用しています。腕木の割れを防止する金具(腕木の両端に見られる黒色部品)は、黒アルマイト仕上げのアルミニウム合金を採用し、木製水車の雰囲気を損なわないように配慮されています。
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金属部は耐蝕性材料のみを使用 |
水車の回転軸シャフト、軸受けベアリング、架台、発電機の他、ボルト・ナット1本にいたるまで、ステンレス(SUS316)やアルミニウム等の耐蝕性材料を採用しており、主要構造部の半永久的な耐久性を確保しています。
低速回転仕様であるため、消耗部品であるベアリングの損耗程度も極小であり、数年に一度のグリスアップのみで、10年間、20年間の長期にわたる連続運転が可能です。 |
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(3) 使い勝手にも配慮
シンプルで使いやすく高機能な制御盤 |
水力発電システム専用の制御盤により、電源システムの運転は自動制御されます。
水力発電機により発電された交流電流は、制御盤内で直流電流に整流され、バッテリーに蓄電されます。
標準的な制御盤は、発電量を表示する電流計、バッテリーの過充電や過放電を防止する充放電制御機器、バッテリーの直流電流を交流100Vに変換するDC-ACインバーター、負荷を自動制御するためのデジタルタイマー等から構成されています。
バッテリーは、耐久性に優れたディープサイクルバッテリーを採用し、制御盤下部に収納しています。
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内部状態が観察できるスケルトンカバー |
水車回転軸シャフトや軸受け部、発電機、増速器等の回転機器は、外部から状態が確認しやすいように半透明のハードカバーを採用しています。カバーの脱着も、スライド式ですので容易に可能です。
システムは、基本的にメンテナンスフリーですので、このままの状態で長期にわたって運用いただくことが可能です。
また、内部が観察できる構造ですので、学習施設用教材としても適しています。
左写真は有色半透明カバーですが、無色透明カバーもご用意できます。
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3.水力発電出力の算定
上掛け水車型発電システムの発電量は、
水の落差[メートル]と水量[リットル毎秒]に比例します。
本製品の水車効率、動力伝達効率、発電機効率、バッテリー充電効率などを考慮した上での実際の発電総効率は、およそ60%程度です。
期待発電出力は、下式によって求めることが出来ます。
出力[W] = 水車直径[m] × 水の流量[l/s]×9.8×0.6
例) 水車直径が4メートル、流量が30リットル毎秒の場合の発電量は、
4[m]×30[l/s]×9.8×0.6=705.6Wとなります。
また、一日あたりの発電量[Wh/day]は、24時間連続運転の場合は、
1日あたりの発電量[Wh/day] = 出力[W]×24[h/day]
と表されます。
例) 上の例の水車を24時間稼動させた場合の1日あたりの発電量は、
705.6[W]×24[h]=16934.4[Wh] ≒ 17[kWh/day]となります。
下表に水車の直径(落差に比例)と水量に応じた本製品の期待出力[W]を掲載します。
水の流量[l/s] |
直径1.5[m] |
直径2.0[m] |
直径2.5[m] |
直径3[m] |
直径4.0[m] |
直径6.0[m] |
水車幅↓ |
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10 |
88W |
118W |
147W |
176W |
226W |
352W |
400mm |
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20 |
176W |
226W |
294W |
352W |
452W |
705W |
600mm |
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40 |
352W |
452W |
588W |
704W |
904W |
1410W |
900mm |
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60 |
529W |
706W |
882W |
1058W |
1356W |
2117W |
1200mm |
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100 |
882W |
1176W |
1470W |
1764W |
2352W |
3528W |
1800mm |
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参考水車回転数→ |
10〜15rpm |
8〜12rpm |
6〜10rpm |
5〜8rpm |
4〜6rpm |
3〜4rpm |
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*設置環境や原水条件などにより、上表の出力値[W]が、変動する場合がございます(±15%程度)。
*水車の直径は、水の落差によって決まります。また、水車の直径+50cm程度の水の落差が必要です。
*水車の幅は、水の流量によって決まります。
*上表出力値[W]に24[h]をかけた値が、一日あたりの発電量[Wh/day]になります。
4.製品のシステム構成
本製品は、上掛け水車本体、動力伝達機器、発電機、制御盤、バッテリーより構成され、
お客様にてご希望の負荷を接続していただくシンプルな構成となっています。
5.製品の参考価格(税込み)
ご自身で、施工など段取り/手配が出来る方への情報提供です(丸請けは出来ません) 本製品のシステム参考価格(下表)には、設置工事費用および基礎工事・水路工事等の土木工事費用は含まれておりませんので、ご注意ください。
設置場所の諸条件にもよりますが、設置工事費用は、下表システム価格の10〜20%程度となります。事前の土木工事費用は、設置環境や設置方法などにより大きく変わりますが、お客様にてご用意・手配いただきます。
価格の目安ですが、水車と発電機以降が、ほぼ半々です。
水の流量[l/s] |
直径1.5[m] |
直径2.0[m] |
直径2.5[m] |
直径3[m] |
直径4.0[m] |
直径6.0[m] |
水車幅↓ |
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10 |
2,992,500 |
3,622,500 |
4,252,500 |
5,040,000 |
6,615,000 |
8,820,000 |
400mm |
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20 |
3,591,000 |
4,347,000 |
5,103,000 |
6,048,000 |
7,938,000 |
10,584,000 |
600mm |
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40 |
4,488,750 |
5,433,750 |
6,373,500 |
7,560,000 |
9,922,500 |
13,230,000 |
900mm |
|
60 |
5,087,,250 |
6,158,250 |
7,224,000 |
8,568,000 |
11,245,500 |
14,994,000 |
1200mm |
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100 |
5,985,000 |
7,245,000 |
8,505,000 |
10,080,000 |
13,230,000 |
17,640,000 |
1800mm |
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システム販売価格(円/税込み)
生産中止
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